液晶オパール(コレステリック液晶)の作り方


ツイッターでつぶやいたのを分かりやすくまとめました
イベントなどでキットをご購入いただいたお客様も
こちらをご覧戴くとわかりやすいかと思います

コレステリック液晶完成品のご希望をいただいたので、製作風景を…


って、ちょっとイケナイ物みたいに見えるけど
液晶の素になる食品添加物と精製水と工作用の注射器ですー


一円玉(大きさ比較用)と素が3g


精製水を2gぴったり入れる
(画像は空袋の重さをあらかじめ引いてあります)
*キットの場合は容器の水を入れてください


チャック袋の封をしっかりしてから
袋の上から摘まんで指の腹を使ってでまぜまぜ
(ダマダマいっぱい)
*化学反応で少し発熱します
火傷をするような温度にはならないので、気にせず混ぜ続けてください。


ダマダマ摘まんで潰してねりねりねり
(ちょっと透明感とちびっと虹色)
*初めはダマダマがいっぱいですが、根気よく袋の上から袋が破れないように注意しながら、指の腹で潰しつつグニグニとしていきます。
すぐにダマが消えなくても大丈夫なので、焦らずゆっくりとやってください。
良く混ざらないときは10分から30分ほどおいて水が浸透してきてから潰しても良いです。


反射で見るとちょっと虹色


2週間前に作った熟成もの(左)と比較。
熟成物は毎日気泡抜きしたものです。
性質上完全に気泡を抜くのは無理っぽいけど、このくらいまで抜けたらいいんじゃないかなーと。

-------日が変わって--------

昨夜作っていた液晶の経過です…


今日は2回ほど気泡を抜いてかなり虹色がはっきりしてきました。

気泡の抜き方


液晶全体を袋の口の方に移動してぶら下げておきます。


下の方に全部溜まって、大きな気泡があったら、気泡のあたりを口の方に移動させてチャックを開いて抜く感じです。
これを毎日欠かさずやって、気泡が無くなってきて、透明になってギラギラした金属光沢の強い虹色が出てきたら熟成完了。

熟成は放置という意味ではありません。必ず移動させてください。
移動させるときは、指で練るようにしながら少しずつ押し上げていってください。この作業をすることで練りと気泡集めができます。全体を一気に移動させると綺麗なギラギラした虹色にならないことや、容器に移し替えてしばらくすると虹色がなくなってしまうことがあります。


雑菌が多いと稀にカビることがあります。
手に付いた液晶やこぼれた液晶を容器に詰めないでください。
液晶を入れる前に容器を無水エタノールで拭いておくとなお良いです。
拭いた後は良く乾かしてください。

*全ての気泡を抜くには手作業では無理がありそうです。
完熟までにかかる時間は水との混ぜ方や、気泡抜きの時の移動の仕方、気温などにもよると思いますが、私の場合はキットよりも多い量、15g以上で毎日15分くらいを2〜5回やって2週間くらいです。
この日数は無理なく楽に作った場合で、キットの場合は練りがうまくいけば3〜7日で熟成させることもできます。虹色の状態や透明度を観察して完熟を見極めて下さい。

*液晶は乾燥すると虹色が見えなくなってしまいます。
袋の口は空気を抜きながらしっかりと閉じましょう。
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液晶オパールの素はヒドロキシプロピルセルロースという水溶性の食品添加物です。
薬品のコーティング剤や特殊な接着剤にも使われている物質で、危険はありません。
水を混ぜると接着剤に使われるくらいベトベトなゲル状になり、触ると納豆のように糸を引きます。その状態は、透明な接着剤のセメダインや、黄色いゴム系の接着剤を思い浮かべても良いかもしれません。
あ、原料は食品添加物ではありますが、液晶を作るという目的だけで購入していますので、手に付いたから舐めるとか、口に入れるのは、ダメ!絶対!です。
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作った液晶の保管について
チャック袋は素材的に完全無通気ではありません。
口をしっかり閉じても少しずつ水分が抜けてしまいます。
(ですが、粘りが強くなりますが、半年は大丈夫でした)
水分が抜けていくと発色が青寄りになってきます。
水分が完全に抜けると、乾いて虹色がなくなってしまいます。
透明になり綺麗なギラギラした虹色が見えるようになったら、観賞用の容器に移し替えてください。
容器は素材的に完全無通気(ガラス推奨)で蓋がしっかりと閉まるものにしてください。
コルク栓は通気性がありますのでだめです。
どうしても通気のある蓋を使いたい場合は、レジンや接着剤等をで厚めに覆って通気を完全に無くしましょう。
*厚めに塗っても見えない通気があることがあります。ご注意ください。

虹色が見えなくなったとき
液晶の色が黄色味がかったり紫がかった透明で、虹色の金属光沢が殆ど見えないときは温度が低いか、固まったときです。
(高温でも見えなくなるのですが、全体的に白く白濁した感じになります。夏場でも日陰でしたらそこまで温度が上がることはないようです。真夏の直射日光下やお湯に浸けるなどすればこの現象が見られると思いますが、密封した容器ですと内圧が高まり、容器が破損することがありますので、容器に密封したものでは実験しないでください)

《温度が低い》
温度が低いときに虹色光沢が無くなるのはよく見られる現象で、問題はありません。
手で温めると虹色光沢が見えるようになりますので、確認してください。
↓画像は温度変化による違いです


《固まっている》
手で温めても虹色光沢が見えないときは、液晶が入っている容器の向きを変えて、2〜3日そのままにして、気泡が移動するか確認してください。
気泡が移動しないときは水分がほとんど抜けた状態です。
これは完全密封されていなかったことによるものです。
水を適量入れて練りなおすと復活しますが、水加減が非常に難しく様子を見ながら精製水を加えなければなりません。
復活はほぼ不可能と考えて、新たに作った方が良いでしょう。
(白魔堂で購入した作品でこの状態になった場合はご連絡ください)

《練りが足りない》
袋に入っている状態でしたら、袋の上からのムニュムニュ練りをギラギラ虹色になるまで続けてください。
蓋が取れない容器に詰めてしまったものは残念ながら作り直しです。
スクリュー瓶のように蓋を開けられるものでしたら、楊枝などを使ってかき混ぜてください。(注:スクリュー瓶は密閉度が悪いものがありますので余りお薦めしません)

液晶の色を変える
ショップで販売している作成キットはノーマルタイプで、だいたい全色が出るような水分量ですが、この水分量を変えることによってスペクトルの偏りを作ることができます。
水分が多いと赤寄り、少ないと青寄りになります。
水分を減らさずにノーマルタイプで作り水分が蒸発するのを待ち、好みの色になったら容器に移し替えということもできます。
いろいろ試してみてください♪

ヒドロキシプロピルセルロース
取扱上の注意事項

吸湿性・粉塵爆発性・密閉し室温下保管・焼却廃棄

お約束
絶対に食べない、口に入れないこと!
皮膚や服や周りの物に付いたらすぐに水洗いや水拭きすること!
液晶オパール作り以外の用途に使わないこと!
(仕上がった液晶を瓶などに詰め換える、詰めたものでアクセサリーを作る等はOK)

【作るときの注意】
キットの液晶オパールの素を他の容器に移すとこぼしたりして量が変わってしまうことがあるので、素が入っている袋に精製水(素3gに対し精製水2g)を入れて作って下さい。
もし、袋が破れてしまったときは、同様のチャック袋にできる限り中身全てを移し替えて、練って下さい。
ノーマル色以外を作るときはこの限りではありません。

自分で素や精製水を量るときにキッチン量りや100均のシリンジなどを使うと正しく量れないことがあり、後で量の調整が必要になることがあります。

【液晶作品販売を考えている方へ】
容器はガラスが最適です。
通気があると乾いてしまうので、蓋や栓は気密性の高いものにしましょう。
コルク栓はもちろんダメで、小さなペントップ用のネジ蓋タイプも信用できません(経験しました)

コルク栓にレジンを被せるというのがありますが、かなり注意しないと隙間やピンホールが出来て、密閉できません。

ガラスドームにドーム用のキャップを接着する時は、穴周りに液晶が付かないように注意が必要です。
細い蜘蛛の糸のような液晶がひとすじ付いているだけで、通気穴が出来てしまいます。
接着剤はエポキシなどのガラスや金属がしっかり接着できるものを使い、少しはみ出すくらい多めに付けてください。
接着剤が完全に固まったら、もう一度蓋の周りに接着剤を重ねます。

これだけのことをしてもうまくいっていない時があります。
販売するまでに最低3ヶ月は様子を見て下さい。
仕上がった時の温度や光源の方向と色をしっかり記憶しておいて、条件が同じなのにそれより青寄りになっていたら失敗です。

購入者の手元で色が消えることがあると、液晶は着色剤と違い退色が無いにもかかわらず、退色するものだと一般的に思われてしまいます。
色が消えてしまう不良品を出さないために、十分注意して下さい。

販売する際に【液晶オパール】の名称を付けたい時には、正式名称は「コレステリック液晶」で「鉱物のオパールとは違う」ことをお客様に伝えてください。
偶に鉱物のオパールだと勘違いされることがあります。

【ハンドメイド作家様から良くある質問について】
レジン用の着色剤ではありません。
レジンに混ぜ込んでもこの色は出ません。

液晶の詰め方のヒント→ 液晶オパールペンダントの作り方

《液晶オパール素材お譲り》
お求めは液晶オパールからどうぞ!

《液晶の作り方アドバイス》
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ツイートする時に@siromadouWorksを付けてください
リプライでお返事します
色調整の為の水分量やヒドロキシプロピルセルロースの種類や、どれを使っているかのご質問はご遠慮ください。

mixiページ(2016/12/03)より転載